2022年11月28日
29歳女性の症例です
中学生の頃から生理痛がひどく、月経が始まって2日間は
痛み止めを飲まなければ仕事ができないという状態でした。
最も痛みを強く感じる部分は、右下腹部で
腰から下が冷えやすく、浮腫みやすいということでした。
検査と評価
まず、腹部内臓に何かしらの病理的な問題が無いかの
スクリーニング検査を行い禁忌症がないことが確認できたため
カイロプラクティック検査に移りました。
姿勢検査では、背部の弯曲が減少し、フラットになっており
腰部は弯曲が過剰でいわゆる反り腰になっている状態でした。
横から見たときに人の体には本来、
生理的弯曲という3つのカーブがあり
そのカーブがあることによって、
重力の負荷を分散させ体を守っていますが
この方のように背部のカーブが減少していると、特に筋肉にかかる負荷が増え
逆に腰のようにカーブが過剰になった部分は、関節に負担がかかりやすくなります。
また普段立ち仕事で、片脚に体重をかけて立ってしまうことが多いということもあり
前述の過剰な弯曲と相まって骨盤や腰の関節に歪みが生じていました。
これらの部分から出ている神経は、子宮や卵巣にも分布しているため重要な治療ポイントになります 。
その他、骨盤や腰椎の生理的弯曲に関わる腸腰筋の強い緊張と
股関節の可動域制限も見られました。
過剰な反り腰は、内臓を下方に圧迫し、股関節の可動制限は
筋肉のポンプ運動の低下によって
内臓周りの血流が悪くしてしまう可能性があります 。
子宮周辺の血管は大腰筋の前面を通って行くため
筋の緊張や他の臓器による圧迫で
血流が阻害されてしまう可能性があるのです。
治療
検査結果から以下の2つのポイントを柱にして治療していきました。
1.腰・骨盤のゆがみを整える
痛みに関わる神経が分布している腰と骨盤の歪みを調整することで
背骨全体にかかる負担を軽減するとともに、過剰な痛み刺激を抑えていきました。
2.負担がかかっていた筋肉の正常化
過剰な緊張を起こしている腸腰筋を緩め、
股関節の可動性を回復することで前弯を緩和して、
内臓周辺の血流を改善し、痛みを起こす物質の代謝を促しました。
その他、前弯を抑制する腹直筋がうまく使えていなかったため、エクササイズを処方しました。
*体温の低下は、痛みの感受性を高めてしまうため、注意が必要です
平熱は、36.4度と決して低いわけではありませんが
これは脇の下で測った温度で
体の深い部分の体温である深部温は低下しているケースが多く見られます。
通常、深部温度は脇の下で測った温度+1度が正常ですが
この方の場合、体温をコントロールしている自律神経の乱れによって
体温は低くなってしまっていたのかもしれません。
そのためにも体幹の筋肉を鍛え、
筋肉からの熱で内臓を温めることが重要です。
治療後の反応
1度、治療させていたただいた数日後に月経があったそうですが
その時には痛みの強さが約半分になり
今まで月経2日目まで計6回の痛み止めを飲んでいたそうですが
今回は2回で済んだということで、非常に喜ばれていました 。
今後一層の改善が見られるように継続的に治療させて頂きたいと思います。
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