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佐藤ドクター研修 -コレステロールを考える-

2018年2月26日

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心と体の免疫

2月23日に日本橋清州クリニックの院長をされている

佐藤ドクターの研修がありました。

佐藤ドクターは、毎月第4土曜日に品川区にある薬師寺別院にて

薬師寺前管主の山田法胤長老と心と体の免疫というテーマで

説法を行っており、先日その取り組みが週刊ポストに取り上げられました。

奈良の薬師寺は、日本で最も古い仏教である法相宗の大本山であり

1300年の歴史を持つお寺で、1998年には世界遺産にも認定されました。

佐藤ドクターは山田法胤長老とは20年来のお付き合いで

今まで言われてきた体の免疫に加えて

心の免疫が重要だということから今回のような取り組みが

始まったそうです。

私たちの体は生命の集合体

佐藤ドクターは、その説法の中で

体の捉え方を以下のようにお話しされています。

「私たちは自分の体を一つのものと考えてはいけないと思うのです。

人間の体は60兆個の細胞からできています。

その一つ一つが生きるためにはどうすればいいか

を考えながら動いています。

だからこそ、自分が意識しなくても脈は変動し

寒ければ鳥肌が立ち、物を食べれば唾液や胃液が分泌されます。

いわば人間は60兆の生命の集合体

近代医療は病気の原因をことごとく外に求めてきましたが

そうではなく、体の中を見つめなおし

自分の体を信じることで、内なる病気をいかに発病させないかを

考えることが重要なのです。」

コレステロールは悪者か?

コレステロールと聞くと、漠然と悪いもので減らさないといけないもの

というイメージをお持ちではありませんか?

自分の体の中を見つめ直すためにもう一度コレステロールについて

考えてみましょう。

コレステロールの調査

まずコレステロールについて行われた調査をいくつか見てみましょう。

 

1.大阪府守口市の調査(1997年 50歳以上の男女 16461人が対象)

男性は総コレステロール値が低くなるほど、5年後死亡率が高く、

女性は総コレステロール値が最も高いグループと最も低いグループで高かった。

 

2.茨城県の調査 (2002年 40~79歳 96000人が対象)

5年間、総コレステロールと癌の因果関係を調査、癌による死亡は

総コレステロール値が160未満で最も多く、240以上で最も少なかった。

 

3.日本脂質学会 (2008年 50000人が対象 6年間調査)

死亡率が最も少なかったのは、総コレステロール値が200~270

総コレステロールが高くても低くても死亡率は高くなるが、

低い方が優位に死亡率は高くなる。

4.アメリカノースカロライナ州(1973~1993年 48000人の男性対象)

総コレステロール値が高いほど

膀胱及びインフルエンザで入院する人が少なかった。

この論文以降、感染症比率とコレステロール値が問題視されるようになる。

5.上記の守口市の調査

総コレステロール値が低いと脳卒中のリスクが高くなり

総コレステロール値が40mg上昇すると脳卒中の死亡率は3分の2

減少する。

6.JRと某医大の共同研究(55~65歳以上の男性)

列車に飛び込み自殺した人のほぼ全員がコレステロール降下剤を服用。

コレステロールが大幅に低下すると、

気力低下が起きることと関連していると考えられています。

動脈硬化の原因

一般的にコレストロールと聞いて

まず思い浮かぶのは動脈硬化だと思います。

動脈硬化の原因なっている要因には

コレストロール以外により大きなリスクになるものが

いくつかあります。

1.年齢

一番大きいのリスク

2.血圧

かかった圧力によって血管壁が破れるのを防ぐために

身体は血管壁を厚くしようとする

3.血糖

糖尿病の人では血管が砂糖漬けになっている

誰がコレステロールを悪者にしたか?

コレステロールを悪者にした実験

1913年 ロシアの病理学者ニコライ・アニチコワの実験

ウサギに注射で投与したところ動脈硬化で死亡した

というものです。

この実験は、ウサギが草食動物にも関わらず

動物性脂肪のコレステロールを経口ではなく、注射で投与している点で

問題があることが指摘されています。

1970年 アメリカの医師ヘグステットの論文

食品中のコレステロールが100mg増加すると

血中コレステロールは6mg dl上昇するという

ヘグステットの式を考案し、長年使われていました。

この実験は元々血圧が高い人を対象に行われた研究であった点が

指摘されています。

誰がコレステロールを悪者にし続けたか?

1996年 国内の動脈硬化学会が高コレステロールの診断基準を下げましたが

その根拠は明らかになっていません。

2007年 悪玉コレステロールについては140mg dl以上

善玉コレステロール値については、40mg未満を問題視し

そして総コレステロール値については、診断基準から削除されました。

しかしこの時点で、悪玉コレステロールと

善玉コレステロールの比率は全く問題視していません。

善玉と悪玉は相殺項目であり、二つの比率が重要なのです。

2015年に日本動脈硬化学会は正式に悪玉コレステロール

善玉コレステロールの比率を吟味するように指示をだしました。

これを踏まえてコレステロールは「悪者」かというと

答えは「NO」です。

その前に「悪玉コレステロール」というものは存在しないのです。

血中の脂肪分である中性脂肪とコレステロールの2つは全く別物です。

コレステロールの役割

・身体の60兆個全ての細胞壁の構成成分
・ホルモンの原料として必要
・胆汁の原料として必要
・NK細胞(リンパ球)の活性上昇に必要

など私たちが生きていく上で欠かせない重要な役割を持っています。

 

ダイエットとコレステロールの関係

ダイエットでやみくもに食事制限をして

体調を崩してしまう方は多くいらっしゃいますが

その原因の一つにコレステロール不足があります。

コレステロール値が下がると

女性ホルモン、ストレス抵抗ホルモンの産生が悪くなり

月経不順、肌荒れ、精神不安定が起こります。

コレステロールはどのようにして身体を巡っているのか

実はコレステロール、中性脂肪は血液中を単独で移動できません。

必ず運び屋のトラックに乗せられて移動します。

コレステロールを運ぶトラックには2種類あります。

1.肝臓から全身の細胞にコレステロールを運ぶトラック

これをLDLといいます。

 

2.余った各細胞でのコレステロールを肝臓に運ぶトラック

これをHDLといいます。

乗っているコレステロールは同じですが

トラックの積載量が違います。

LDLは全身にコレステロールを届けるため

HDLよりも需要が多く、約2.5倍の積載量があります。

 

この二つのトラックは、本来、

往路(肝臓から各細胞)で運ばれるコレステロールの量と

復路(各細胞から肝臓へ)で運ばれるコレステロールの量とは

相殺できるものです。

相殺できているか否かを見るものが「動脈硬化指数」です。

動脈硬化指数=LDLコレステロール

(総コレステロールーHDLコレステロール)/HDLコレステロール

という式で求められます。

この値2.5を超えると、血液中にコレステロールが余り

動脈硬化が進んでいきます。

まとめ

コレステロールには善玉も悪玉も無く

往路でたくさん運んでも、現地(各細胞)でたくさん消費し

それでも余った復路でたくさん戻せば良いだけのことなのです。

各細胞にたくさんコレステロールを送ることが問題なのではありません。

問題なのは、現地での消費が少ないことです

そして復路のトラックが少ない事が問題なのです。

そこで重要なのが、生まれつきこの問題が起こっているわけではなく

そうなる生活をしているからそうなっているということです

そしてその原因はその人の生活習慣にある事を忘れてはいけません

これを薬でどうにかしようという考え方は入り口を間違えているといえます。

 

入り口を間違えないために

 

 

私たちは60兆個の命の集合体です。

そして1つ1つの細胞は「考える」という能力を持っています。

どうしたら生きていけるか?

どうしたら生きながらえる?を素直に考えているのです。

白菜は寒い冬を自身の糖度を上げる事によって

氷点を下げて生き延びようとします。

細胞には情報を伝えるために細胞内伝達という機能があり

細胞壁、細胞膜を介して隣り合わせの細胞と話をして

情報交換をしている事をご存知でしょうか?

口も無いのに、耳も無いのにどうしているのでしょうか?

しかし確実に隣接する細胞と話をしているのです。

この細胞壁(膜)の材料となるものがコレステロールです。

細胞膜には突起があり、糖でできた糖鎖と呼ばれています。

肝臓から送られてくるコレステロールが少ないと

細胞壁は脆弱となり、隣接細胞との情報交換・伝達が

できなくなるのは当然のことです。

臓器の機能も果たせなくなるのも理解に難しくありません。

何億もの細胞が連携し、一丸となって働くのが臓器であり

その役目の違う臓器が揃って「ヒトという動物」が出来上がっているのです。

コレステロールが十分に行き渡らないという事は

60兆個全ての細胞の命に関わる事なのです。

研修で出た質問

Q.HDLの値がかなり高い方がいるのですが、問題ありませんか?

A.HDLは多すぎるからといって組織に必要なコレステロールを横取りするような

ことはしないので問題ありません。

 

Q.中性脂肪が増えるとどうなるのですか?

A.中性脂肪が増えるほどHDLは減る負の相関関係があります。

中性脂肪はオメガ3系以外の油を摂ること

運動不足、糖質過多で増えるので注意してください。

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