2023年12月20日
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今回は効果的なダイエットをしていく上で欠かせない肥満遺伝子の中でも
お腹周りに脂肪がつきやすくなるリンゴ型についてお話したいと思います。
肥満遺伝子の種類
β-3アドレナリン受容体遺伝子(ADRB3):リンゴ型
リンゴ型と呼ばれ、糖質の代謝が苦手です。
日本人では、約34~39%の人が持っている変異で
この遺伝子に変異を持つ人は基礎代謝量
(安静にしている時のエネルギー消費量)が
変異を持たない人よりも1日あたり約200kcal低くなります。
これはすなわち肥満遺伝子変異が無い人と同じ生活していても
少なめのご飯1膳分を余分に食べてしまっている状態になってしまうということです!
つまりエネルギーを消費しないので、「節約型遺伝子」と呼ばれ
この遺伝子を持つ場合、太りやすくなります。
またお腹の周りに脂肪がつきやすいために
リンゴ型と呼ばれています。
この遺伝子を持つ人は全国に広く分布しており
血管の中にある糖を細胞に取り込むインスリンの働きが盛んで
少ない糖質でも効率よく体脂肪に変換してしまいます。
省エネの遺伝子であり、食料の確保が困難でも、
蓄えた体脂肪を使って生存しやすいタイプです。
非常に遺伝しやすく、両親のどちらかがこの変異を持っていても
-200kcal基礎代謝が下がってしまいます。
さらに洋ナシ型の肥満遺伝子と複合で持っている場合
なんとー300kcalの基礎代謝阻害が起こります。
300kcalというとご飯約2.5膳分に相当するカロリーで
肥満遺伝子が無い場合と比べると、同じように生活していても
ご飯を2.5膳分多く食べてしまっていることになるので
かなり太りやすくなってしまいます!
また甘いもの(菓子パン、お菓子)や飲み物など
血糖値の乱高下が起こるような状態を好む傾向があります。
グルコースなどの単糖類や果糖ぶどう糖液糖といった
糖類は血糖値を急激に上昇させます。
(果糖はブドウ糖と代謝する経路が違うために
血糖値は上がりませんがブドウ糖よりも吸収が早い分
余った分はすぐに体脂肪として蓄えられてしまいます)
血糖値が高い状態が続くと、細胞が壊れてしまうため
体はインスリンを分泌して血糖値を下げようとします。
インスリンは糖を細胞の中に溜め込んでエネルギーにしようとしますが
余って使われなかったものは脂肪に変換されて蓄積されます。
血糖値の乱高下はインスリンの分泌に拍車をかけて
一層肥満になりやすくなるという悪循環に陥ることもしばしばあります。
空腹に弱く、お腹が空くとイライラしやすく
本人は「そんなに食べていないのに自分は太りやすい」
というイメージを持っていることが多いようです。
食事を抜くことが苦手で、食事の時間になると
仕事のことは「食べてから考えよう」と思ってしまったり
食事をしながら作業をしてしまうことが多くなります。
このタイプが最も生活習慣病との関連が深いと言われているため注意が必要です。
体を触るとふわっと柔らかいことが多く
細かいシワはさほど気にならないものの、深くて大きなシワが目立ちやすくなります。
肉がないわけではないけれど、パツンと張った感じがあまりしないという特徴があります。
特によく動かす口元のほうれい線、目尻の笑いジワ、
額のシワなどが目立ちやすい傾向があります。
ハリが少ないので、二重あごにもなりやすくなります。
また、糖の代謝に関連して、「糖化」にも注意が必要です。
糖化とは、身体の中でタンパク質と余分な糖が結びついて
タンパク質が変性、劣化してAGEsという老化物質がつくられる反応です。
糖化が進むと、タンパク質である肌のコラーゲンやエラスチンが変性して
シワだけでなくシミやソバカスができやすくなります。
糖化で特に気をつけなければいけない食品は
メイラード反応と言われる褐色の焼き色がついた食べ物
ホットケーキやクリームブリュレなどが典型的です。
またカリカリに焼いたベーコンなどもかなり多くのAGEsを含んでいます。
リンゴ型のお腹周り脂肪を解消できるダイエットはコレ↓
リンゴ型の人が気をつけるべきこと
繰り返しになりますが、リンゴ型肥満の方は、
通常よりも基礎代謝が200kcal減ってしまいます。
体脂肪1kgあたりのカロリーは7200kcalなので、
一日200kcalの差があるとすると
遺伝子変異の無い人と同じ生活をしていても、
36日で体脂肪1kg分の差ができてしまいます。
このような話を聞くと「私は一生痩せないのではないか」と
考えてしまいがちですが、決してそのようなことはありません。
自分には摂取カロリーのハンディがあると自覚していることで
逆に食事の管理がきちんとできるといったケースも多くあります。
一気に減らそうとすると大変ですが
1日あたり200kcalをうまく減らしていけば、大きな負担にはなりません。
例えばご飯約1杯分、ビールでしたらジョッキ1杯分
運動ならウォーキング40分程度(歩数では約6000歩)の
多少息が上がる程度の運動をして頂くと200kcalをすぐに消費できます。
リンゴ型の特徴として、ダイエットをすると
内臓脂肪が減りやすいので体重の変化は出やすいです。
ですが、それで安心してしまったり
飽きてしまう方も多く、リバウンドもしやすい傾向もあります。
糖質、とくに食べた瞬間に甘いと感じるもの(単糖類)については
食べてから30分ほどで熱(エネルギー)に変換されます。
そして2~4時間ほどで無くなって(消費されて)しまいます。
したがって、すぐにエネルギーが必要という時には非常に有効な栄養素ではありますが
使われなかったエネルギーは、脂肪として蓄積されますので
就寝の4時間前以降はダイエットのためにも
過剰な糖質の摂取は控えるべきと言えます。
イモやお米など糖の鎖が長いものは、
分解に時間がかかるため血糖の上昇が穏やかになり
甘いものと比べるとインスリンの消費が少なくて済みます。
またお米でも精白米よりも玄米の方がより血糖の上昇は穏やかです。
ちなみにタンパク質は4~6時間でエネルギー化され
脂質は胃の中に6~12時間留まってゆっくりと燃えていきます。
ゆっくり燃えていく脂肪の典型が、飽和脂肪酸と呼ばれる動物性の脂肪です。
リンゴ型の人に必要なダイエット法
リンゴ型の体は糖質の代謝が苦手で、インスリンの働きが悪いので
食事の際にはまずたっぷりの野菜を摂り、次にタンパク質(主菜)、低糖質の食事を心がけましょう。
有酸素運動(水泳、ジョギング、ウォーキング)も非常に有効です。
糖化が起こりやすいので食事だけでなく紫外線(日光だけでなくパソコンモニターなど)にも注意しましょう。
ダイエット成功のカギは"自律神経"
ダイエットを成功させるには、体に溜まった脂肪が効率よくエネルギーとして
燃えてくれる必要があります。
自律神経はエネルギー代謝や体温の調節などあらゆる生命活動をコントロールしてくれている神経です。
脂肪を燃やすためには、この自律神経の働きの働きが欠かせません。
自律神経には交感神経と副交感神経の2種類があり
身体の脂肪は、交感神経が働くことによって
エネルギーとして使える形に分解されて、筋肉に運ばれます。
ですから交感神経の働きが十分でない状態で
食事制限や運動をしても脂肪は燃えてくれないのです。
現代人が痩せにくい原因 モナリザ症候群とは?
なかなか痩せないという方の大多数は、交感神経系の働きが低下しているという特徴があり
それを英語表記した時の頭文字をとってモナリザ症候群と呼んでいます。
※MostObesity kNownAreLowIn
SympatheticActivityの略称
このことから自律神経、特に交感神経の働きが悪いと痩せないということが分かります。
なかなか痩せなかったり、リバウンドを繰り返しているという方は
まず自律神経の働きを正常にする必要があります。
自律神経が乱れている時の症状
- 疲れやすい
- 睡眠障害(寝つきが悪い・朝起きられない)
- 気分の落ち込み
- 生理痛・生理不順
このような症状がある場合は、ダイエット効果が出にくくなっている可能性があります。
自律神経の働きを高めて痩せるダイエット
リンゴ型の方がダイエットに取り組むと、糖化が抑えられ
美容効果のアップや身体の老化を防ぐことにも繋がります。
レゾナンスでは長年、肥満遺伝子の状態に合わせたダイエットを研究して
多くの実績を出してきました。
次の章では、実際にリンゴ型の方が自律神経の働きを高めて
ダイエット効果を最大化する方法をご紹介していきます。
自律神経を整えて痩せる方法はこちら
執筆者
レゾナンスカイロプラクティック院長 中込 慶一