2017年5月5日
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トランス脂肪が身体に悪いということは最近よく聞かれますが
具体的になぜ悪いのかは意外と知られていません
トランス脂肪と普通の脂肪は何が違うのか見ていきましょう
目次
脂肪の種類とトランス脂肪
私たちが摂取する脂肪の95%はトリグリセライド(中性脂肪)で
グリセロールと脂肪酸からできています
脂肪酸のうち、常温で固体のものを飽和脂肪酸と言い、
主に動物性脂を指します
常温で液体のものを不飽和脂肪酸と言い、主に植物性油を指します
不飽和脂肪酸はさらにオメガ3、オメガ6、オメガ9という種類があり
非常に酸化しやすく長期保存は難しいことから
現在販売されている植物性精製油の多くは
酸化を防ぐために水素添加法を考案しました
これは150~200℃の高温、高圧下で強制的に水素を添加する方法で
長期保存は可能になりましたが、
自然界には無いトランス型の脂肪がつくられてしまい
様々な悪影響が出ることが明らかになりました
トランス脂肪の人体に対する悪影響
①トランス脂肪は自然界に存在しないことから
体内では異物として認識され 分解がうまくできず
細胞内に蓄積することによって肥満の原因となる
②免疫担当細胞が異物として認識をすることによって、
アレルギーの原因となる
③細胞壁に影響を与え、インスリン受容体機能低下や
栄養分取り込み障害 老廃物の排泄障害が起こる
糖を細胞内で利用できなくなり、
エネルギーをうまく消費できなくなることから
血糖値の高い状態が続き 糖尿病の原因となります
調理法とトランス脂肪
植物油は不飽和脂肪酸が主で、不安定で酸化しやすいので
本来、遮光容器に入っている必要がありますが
市販のサラダ油は生成の過程で高温処理によって
脱臭、脱色、水素添加が行われるため
遮光容器に入れる必要がないものの、
トランス脂肪が含まれています
調理法においても、揚げる、焼く、炒めるなどの
高温(150~160℃以上)での調理は
トランス脂肪酸を発生させます
オメガ9の油に分類されるオレイン酸を多く含むオリーブオイルは
善玉コレステロールを下げることなく
悪玉コレステロールを下げますが
やはり150度以上に加熱するとトランス脂肪が発生してしまいます
100度そこそこの茹でる、煮る、蒸すではトランス脂肪はできません
またトランス脂肪とデンプンが合わさることによって
アクリルアミドという発癌物質が発生するという問題もあります
アクリルアミドはIARC(国際ガン研究機関)で
ディーゼルエンジンの排気ガスと同じカテゴリーである
2Aに分類されています
この物質も150度以上の加熱調理で発生するため、
フライドポテトやかりんとうなどは注意が必要です
ダイエットや健康増進のためにせっかくパワープレートで運動をしても
私たちの体をつくる食事を気をつけなければ、本末転倒になってしまうので
食事と運動をセットにしていくことが重要です