2021年3月20日
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国際基準カイロプラクティック&Power Plate専門ジムのスタジオレゾナンスです。
定期的に勉強をさせて頂いている日本橋清洲クリニックの佐藤ドクターに免疫に関する講義をして頂きました。
目次
免疫とは
免疫の意味は、「疫を免れる」すなわち「病気にならない」ということです。
別の言い方では「未病」ということになります。
ですからすでに病気になっている「早期発見」とは全く意味が違うものになります。
いかにして病気にならないか考えていくときに重要なのが
体の免疫と心の免疫という2つで考えていくということです。
体の免疫とは、いわゆる知識の部分です。
体温が1度下がると免疫力は30%下がり、代謝は13%下がるので
体温を上げるために半身浴やたんぱく質の摂取、服装に気を付けましょうといったものです。
心の免疫は「物事をどう受け止めるか」ということになります。
体の免疫と心の免疫では心の免疫が断然大事です。
それは体の免疫として「体温を上げると免疫が上がる」「運動が大事」といった知識を入れても
ほとんどの人が実行できていません。
それを実行するために必要なのが「心の免疫」です。
私たちの身体は常に生まれ変わっているので、生まれた時の細胞はとっくに無いのです。
しかし生まれ変わっていく中で、新しい細胞ができた時にまっさらな細胞ができているわけでなく
ベースになっている細胞の影響を受けているという事を忘れてはいけません。
肝硬変では負担のかかった細胞は線維化しているので、新しく作られた細胞も影響を受けているのです。
ですから禁煙をして何年も経っている人の肺を見てみるとタバコを吸っていたか分かります。
「細胞は新しく作られるからどんなライフスタイルをしてもいいということにはならない」
ということです。
新陳代謝のサイクル
細胞の生まれ変わるスピードは各器官で異なります。
胃全体 5〜7日
口粘膜 7〜10日
腸 2週間
心臓 3週間
皮膚細胞 4週間
骨髄細胞 4週間
肝臓 2ヶ月
筋肉 2ヶ月
骨 3ヶ月
赤血球 4ヶ月
日々のライフスタイルが重要という先人の悟り
その先人とはお釈迦様です。
お釈迦様は紀元前500年にインドのカピラの皇太子として誕生しました。
29歳で出家をして約6年間苦行を行いますが
悟りを得られずに下山しました。
そこで苦行は煩悩が無くなると同時に体に負担がかかりすぎ
頭が働くなることに気づき、苦行をやめました。
その時に長期間の断食による空腹で瀕死の状態になっていましたが
スジャータという女性から乳粥をもらい、気力を取り戻して悟りを得たと言われています。
その一つが街からお囃子の音が聞こえ時に
弦が強けりゃ強くて鳴らぬ
→ 断食の様な極端に貧しい状態でも健全な状態ではない
弱けりゃ弱くて鳴らぬ
→ 裕福な環境すぎても健全ではない
すなわち、ある範囲を超えると良い状態ではなくなってしまうということで
健康に置き換えると日常が重要であるということ言っています。
五感 五授
憂
喜
苦
楽
捨
捨は捨授と言い、2種類あります。
1.他人事で受け止めずに流してしまう事
2.感情を抑えて、じっくり物事をよく観る事
ディットマーの研究と心の免疫
アメリカのアイオワ州立大学のディットマーという博士の実験で
40×40×50の木箱にライ麦を入れて育て
半年後に苗は40センチに育ちました。
そしてその木箱を壊して根の長さをすべて足してみると
なんと11200kmにもなっていました。
日本列島が3000kmですからとてつもない長さです。
これは40㎝の苗には11200kmの根が生えるともとれますが
表面に出ている40センチを11200kmが支えているという
捉え方もできます。
これは人の身体も同じで、私たちの血管をつなぎ合わせると
地球約2周半分にあたる9万kmになると言います。
この中を血液が流れており、37兆個もの細胞に栄養を送っています。
しかし、木箱に入った根のように
それを私たちは普段目にすることができません。
佐藤ドクターは、このディットマーの実験と人の身体を重ねて
「見えないものに支えられている」という感性を持つことが重要と
お話しされていました。
この見えないものこそが心の免疫です。
すなわち見えない9万kmの血管にきちんと血液が流れているのか
血流が大事と言葉ではよく聞くものの
その血流が自分たちの身体を支えているという感性を
持って日々生活を送れているかを再確認する必要があるということです。
9万kmのうち8万8000kmを毛細血管が占めています。
薬師寺に修学旅行に来た中学生の作文と心の免疫
葉は枝に支えられているな
枝は幹に支えられているな
幹は根に支えられているけど見えないな
というものがあります。
物の見方は感性によって変わってきます。
感性
→ 磨く、研ぎ澄ます、豊かである →自分で育てていくもの
父母恩受経
2歳までにその子の感受性、すなわち感性は決まると父母恩受経では述べています。
懐を寝床とし(聴覚→母親の鼓動)
膝を遊び場とし(触覚)
乳を食とし(嗅覚・味覚)
情を命とす(母の眼差し)
一休さんと武士の問答
武士
「心はどこにある?」
一休さん
「胸のうち3寸です」
武士
「では切るので出してみよ」
一休さん
「毎年に咲くは吉野の桜花
木を切りてみよ 花の有りかを」
来年咲く桜の花は木の中にあるが
それは切っても見えてこないということをうたっています。
心の免疫を実践するために
どうすれば心の免疫を実行できるのでしょうか?
まず意識するべきなのは
「自然に添って生きていけば良い」
ということです。
血流を考える
酸素の供給 → 心臓から末端へ
老廃物の除去(認知症の原因) → 末端から心臓へ
→低血圧と病気の関連、運動の重要性
運動による血液需要の増加→供給のための血圧の上昇
睡眠(太陽と共に生きる)
→睡眠についてはコチラ
食事(葉の構成に従う)
→食事・栄養についてはコチラ
体温(脱・文明)
→体温・冷え性についてはコチラ
脈・呼吸(晴耕雨読)
→呼吸についてはコチラ
これからの生き方
人間は膨大なエネルギーとお金を使って2つの時間を生み出しました。
1つは寿命、もう1つは余暇です。
また技術革新を重ね、科学を発展させ快適性と利便性を生み出しました。
これらは人間にとってのメリット(光)の部分ですが
その陰となる問題も数多く生まれています。
寿命の延長
・痴呆の問題:パワープレートによる認知症への効果
・筋力低下:ロコモティブシンドロームとパワープレート
・2000万円問題:アクティブエイジング(活動的なエイジング)のために
余暇
・余暇の仕事化
快適性と利便性
・運動量の低下
・食生活への影響
・体温の低下
まとめ
心の免疫は日々の観察によって広く物事を見て
健康を考えていくことで行動が変わってくるという教えです。
私たちは目に見えるものが全てと思ってしまいがちですが
光と陰という2面で物事を見るだけでも
行動の判断基準が大きく変わってくるということが今回の講義をお聞きして
改めて理解できました。